映画館に足を運ぶ理由

もうひとつある。

1. 自宅では味わうことができない迫力
2. どうしても見たい新作映画がある

他の観客がいるから。

それは、ひとりで見るのは寂しいよねとか
誰かと一緒にいたいよねとかそういうことではなくて。

わざわざ映画館に足を運んでわざわざ高い金を払って
そうしてでもその映画を見ようと思う人がそこに集まっている。
自分が選んだその映画を同じく選んだ人たちが。

その映画を見たときに感じられる何かがそこに充満していて、
その空気を共有できるというのが
映画館で映画を見ることの重要な点だと思う。

もちろんレンタル屋さんで DVD を借りてきて
家族友人恋人と見たってその場の空気を共有できるし
そういう特別な人たちと見るのも大切なことなんだけど、
映画館には一緒に過ごすことを前提とする数名だけではなく
たまたま同じ映画を選んでたまたま居合わせた多くの人たちがいる。

その人たちと一緒に映画を見て
同じところでびっくりしたり違うところで笑ったりする。
寝ちゃう人もいれば嗚咽しながら涙を流す人もいる。
本当にいろいろだ。

映画館に行くと、
フィルムに収められた映像と音声に加えて
そうやって観客が作り出す空気も全身で受け止めることになる。
それもひっくるめて楽しむものじゃないだろうか。

だから映画というのは
撮影したものを編集して記録媒体に収めた時点ではなく
上映されて人が見て何かを感じたときに完成するんだと思ってる。

平日の昼間に映画を見に行って
文字通り貸し切りになったことがあるけど、
あれは本当に寂しかった。