Amazon.co.jp で使われている
「あわせて買いたい」にあたる表現を
英語版の Amazon を見ると、
“Frequently Bought Together”
となっている。
「よく一緒に買われるもの」を
「あわせて買いたい」と訳したわけですね。
これはなかなか素敵な表現。
以前ここで少し書いたように
なんでタイトルが「必ずつけるようにしている」じゃなくて
「必ずつけたい」なのかというと、
今まで自分が作ったサイトの中に
実装できてないものがある気がするから。主題と関係ないけど、
「○○したい」って便利かつズルい表現だと思う。
「○○したい」というのは便利な言い方だと思う。
「ズルい」の部分は読まなかったことにしてください。
“Frequently Bought Together” を見ても
特にどうとも思わないんだけど、
たとえば「よく一緒に買われてます」と言うと
「だからどうした」と軽い反発を受けるかも。
洋服屋さんが
「それよく出てるんですよー」という売り文句を使うことがあるけど
それに対する反応に近いかもしれない。
「よく出てる」かどうかと私に似合うかどうかは関係ないでしょ、
という感想を耳にすることがある。
ましてや「あわせて買ってってください」だと
「何であなたの希望にあわせて買わにゃならんの」となりそう。
「ご一緒にいかがですか」ならだいぶやわらかいけど
それでもやっぱり少し「売らんかな」がちらつく気がする。
それに対して「あわせて買いたい」はいい。
「○○したいものです」という言い方の便利なのは
その願いの主体としての責任を引きうけることなく
それが一般に好ましい行為であるかのように主張できるところ。
主体が誰なのかわからないので
「したいものですね」と言っても
「じゃああんたはできてんのか」というツッコミを喰らうことはない。
「したい」と言ってるだけなんだから。
また他の人がそうしているかどうかも
気にする必要はないし押しつけられることもない。
そこで表されてるのはあくまで望みであって
誰がしたとかしないとかいうことは関係ないから。
「あわせて買いたい」の主体はユーザーではなく
Amazon が「買ってほしい」だけかもしれないけど、
そのへんをはっきりさせることなく
ともかくあわせて買うことを推奨することができる。
ものの言い方一つで相手の心証も行動も変わってくる。
Amazon の規模を考えると、
この「あわせて買いたい」という表現だけで
かなりな額の売上につながっているんじゃないだろうか。
憶測ですが。
キーとなるフレーズが違うだけで
サイトの成否が左右されることもあるので、
そのあたりはしっかりとつくりこんでいきたいものです。
2009/05/08 10:45
そんなうまい表現でマーケティングする努力を放棄して、「あわせて売りたい」に徹しちゃったのが抱き合わせ販売。
2009/05/11 19:17
なんかの流れで「ほしのあき抱き枕」ってのを見に行ったら、”あわせて”で空気嫁を薦められてて笑いました。
Amazon、凄いんだか凄くないんだかw。