これまで自費出版といえば
最低でも百万円単位の初期費用が必要だったと思います。
もちろん自分で書いた原稿を印刷して製本して手売りするだけなら
それより安く上げられるだろうし
電子書籍なら印刷代も製本代も流通コストも不要ですね。
でも ISBN コードのついた紙の本を、
つまり書店で売ったり図書館に置いてもらったりできる本を作るには
かなりのコストがかかります。
かかっていました。MyISBN が登場するまでは。
MyISBN とは
個人が手軽に、極めてローコストで自分の書籍を出版できるサービスです。
ちゃんと ISBN のついた本を出せるので、
図書館に置いてもらうこともできます。
国会図書館について言えば
日本国内で出版されたすべての出版物を保存することになっているので
必ず置かれることになります。
国会図書館がなくならない限り、未来永劫。
どれくらい安いか
初期費用は4,980円と格安。
(これを書いている時点ではオープン記念キャンペーンで980円)
これ以外の費用は一切必要ありません。
なぜそんなことが可能か
MyISBN そのものが出版社としてのサービスであり、
ISBN コードの付与から出版に至るまでの手続きをやってくれます。
ここで使われるのが Amazon のプリント・オン・デマンド。
従来の、一定数を刷って在庫として持つやり方ではなく
注文があった時点で印刷が始まるので、売れ残りのリスクはゼロです。
MyISBN のシステムと Amazon プリント・オン・デマンドを連携させることにより
極めて低いコストでの出版が可能となっています。
販売も Amazon で、他の書籍と同じように行われるので
書店へ送るための流通コストも不要。
また、MyISBN 側で原稿のチェックや編集をしてくれるわけではないので
そこは自分でやることになります。
これまでその部分にかかっていた費用が不要になることも
格安でできる大きな要因ですね。
印税はどうなるか
決められた最低価格を下回らない限り、
値段をいくらにするかも自由。
そして、売れた額の1割が印税として入るようです。
「5分でできる」出版までの手続き
想像以上に簡単でした。
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書籍名や著者名などの情報を入力
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原稿のファイルをアップロード
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書籍の価格を設定
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Amazonでの紹介文を入力
はい終了。あとはできあがるのを待つだけです。
実際に販売が開始されて注文が入ると
すぐさま印刷、製本が開始され、
わずか2日程度で手元に届くそうです。
どんな本ができるか
MyISBN から出された本を実際に見せてもらいました。
読み物としては何の問題もなし。
変な言い方だけど、普通に読める、普通の本です。
実際に Amazon で売られてるところ。
ただし、文字ではなく画像になっている部分を見ると少し粗いのがわかります。
また今のところ色は一色のみなので
写真集なんかには向かないかもしれませんね。
出版はもっと身近になる
才能溢れる売れっ子作家なら何も心配することなく
出版社がいい具合にやってくれるんだと思うけど、
みんながみんなそういうわけにはいきませんね。
実績がなくて「売れるかどうかもわからん」と判断されるような場合
そもそもその実績を積むための一作目を出すことすら難しい。
MyISBN は既存の出版業界とは完全に別のカテゴリに属するサービスで、
「本のインディーズレーベル」という位置づけだそうです。
もっと大きくやっていきたければ、
まずはここでスタートラインに立って実際に売ってみてから
それを持ってメジャーデビューすればいいじゃない。
ただし、一度発行した本を「なかったこと」にはできないし
国会図書館にはそれが保存されつづけるので、
うっかりいい加減なものを出すと
未来永劫残ってしまいますから気をつけましょう。
黒歴史は消せません。