スーパー弁護士の仕事力

日本実業出版社多根様よりご賜本。ありがとうございます。


スーパー弁護士の仕事術

今をときめく(実際にときめいているかどうかは不明)弁護士さん5人が
交渉力・時間術・質問力・勉強法・情報収集術と
それぞれの得意分野に関するノウハウを公開してくれている。

弁護士の仕事力をフィーチャーしているが、
本書の主な対象はビジネスに関わる人。

 例えば、何かモノやサービスをセールスする場合、ビジネスマンは相手(顧客)を納得させ、契約成立まで漕ぎ着ける必要がある。
 その過程では、相手のニーズを聞き出したり、こちらの条件を伝えたり、あるいは、お互いの妥協点を見いだしたりと、さまざまなアクションを起こしながら、ゴールに向かって突き進んでいく。読みやすいセールス文書の作成能力や、ゴールに辿り着くまでのスピード能力も求められるはずだ。

まさに弁護士に求められる能力と同じようなものだと。

さて、仕事術の本はたくさん出ているが、
だいたいは一人の著者がひとつのテーマについて
一冊の本で紹介なり説明なりするというものが多い。

それに対して本書では
複数のテーマについて複数の弁護士さんが書いている。
いわゆる「ムック」というやつで
一冊に様々な内容が盛り込まれている格好。

もちろんある仕事術を確実に我が物にするためには
その根底にある考え方を理解してからやることが重要だろう。
100ページ程度で複数のテーマすべてを語り尽くすのは難しい。

が、それでもなお
これは価値ある1冊だと思う。

何らかの仕事術について一冊読み込んでみたけど
どうも納得がいかないとか
やってみたけどいまいちしっくり来ないとか
そういうことはよくある。
その場合、その一冊は
「役に立たなかった」という扱いで終わってしまうんじゃないだろうか。

たいていの場合、これは単に相性の問題。
手に取った一冊がたまたま自分には合ってなかっただけ。

それが本書のように
複数の人が複数のテーマについて複数のやり方を提案している形式なら
とりあえず「あ、これいいかも」と思ったものを試してみて
ダメだったらまた別の人の言うことを聞いてみればいい。

実際、本書では
同じテーマについてまったく違うことが提案されていることもある。
ある人はそれを捨てろと言い、
ある人はそれをいかに効率よく活用するかを提案する。

その中から自分にちょうどいい具合のやり方を
ひとつでも見つけることができたら
それを提案している人の著書を手にするなりブログを読み込むなりして
今度はその考え方をじっくり吸収すればいい。

片っ端からビジネス書を読んでは
次々と「自分には合わない」という結論を出すことを考えたら
これは実にお買い得な一冊だと思う。



スーパー弁護士の仕事力 (エスカルゴムック (251))
日本実業出版社

[Amazonで詳細を確認]


気をつけないといけないのは
どれでもいいから必ず実際にやってみること。
じゃないとまったく意味がない。

読んだだけで終わりにするのでは
参考書をいっぱい買ってきて本棚に並べて
「うーん、完璧」と悦に入る受験生と同じです。

関連エントリ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加