チャチな作戦がまんまと成功して絵画で入賞

あれは小学校３年生のころだったろうか。
どこだったかのデパートで
「サンタさんの絵」コンテストが開催された。

こういうとき、
普通にやったのではダメだ。
かなりの数の応募があるはずだから、
その中で選ばれようと思ったら
何らかの方法で目立たなくてはならない。

そこでこう考えた。

サンタさんの絵をとなると、
みんな『元気があってよろしい』という評価を狙って
画面いっぱいのサンタさんを描くはずだ。
となると、作品を並べたとき
全体的に真っ赤になるに違いない。
ならば、
あえて赤を避ければ目立つのではないか。

画面を真っ黒な夜空にして、
トナカイに牽かれて飛ぶサンタさんを
ぽつーんと小さく描いてやった。

小学校３年生にしてはかわいげのない作戦だが、
これがまんまと成功。
黒い画面に赤い点があるだけなのに、銀賞だった。

他の作品と自分のを見比べて
若干申し訳ないような気分にもなったが、
何か大切なことを学んだような気がした。