分数の割り算はなぜ分子と分母を入れ替える?『算数・数学が得意になる本』

例えば小学生に
「マイナス×マイナスはなんでプラスなの?」
と聞かれて、さらりと説明できるだろうか。

「解き方」というものが存在するのなら、
それを教えることは簡単だ。
やり方を説明するだけなら誰でもできる。

言われたとおりにやると正解が出るので学習者もそれで満足する。
真面目に練習を積めばテストで良い点を取ることもできるだろう。

そしてある時、しかもかなり学習が進んだ段階で
「自分は何も理解できていない」と気づいて愕然とする。

これは算数・数学に限ったことではない。

以前(点が取れるという意味で)かなり学力の高い学生が
「急に英語ができなくなった」
と言って相談に来ていたのだが、
その原因はすぐにわかった。

「訳し方」というものを追い求めるばかりで
与えられた英文を理解しようとしていなかった。

そのことを話すと、返ってきた答えは
「訳すのと理解するのは違うんですか?」

彼は塾でひたすらに「訳し方」を勉強してきて、
「理解する」ということをまったく教わっていなかった。
ある意味、犠牲者だ。

同じ事は当然ながら算数・数学でも起きている。
基本的なことを聞いてくる子どもに
「解き方」を教えるのではなく
「わかる」ように説明することができるだろうか。

例えば、
「分数の割り算は、なんで分子と分母をひっくり返してかけるの?」
と聞いてくる子どもに。

なお
「数学なんかできなくても生きていける」
というのも正しい主張なので、
その信念に従って生きるのも
わが子をそういう方針で教育するのも
間違ってはいないと思う。

確かに、生きてはいける。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

6 Responses to “分数の割り算はなぜ分子と分母を入れ替える?『算数・数学が得意になる本』”

  • 2006/09/05 12:55

    10個を2等分したら5個ずつになるね~
    ってのと
    10個を2個ずつ配ったら5人に配れるね~
    は式一緒だけど意味が違うんだよね。
    割り算=等分するって考えるから意味わからんくなるんじゃないかと。
    って小学校では教えてくれないのかなぁ。

  • 2006/09/05 19:00

    > makoさん
    数式と、それが表す意味がつながれば
    算数は一気に楽になるのかもしれませんね。
    そこが一番面白いところであり、
    一番難しいところでもあるような。

  • 2007/03/17 22:22

    ついでに言うと「台形の面積を教えない」もウソだった

    昨日のエントリの続き。 「円周率は3」の話はウソだった 「円周率は 3」とならん…

  • 2007/03/17 22:57

    「円周率は3」の話はウソだった

    ちょっと前に知ったのだが、 おととい3月14日は「円周率の日」だったようなのでそ…

  • 2007/03/18 14:59

    でも小学校の算数でそんなことやっちゃダメでしょ

    こんなエントリを書いてはみたが、 「円周率は3」の話はウソだったついでに言うと「…

  • 2007/04/17 02:11

    「頭ん中」2007年3月アクセス統計

    2007年3月 訪問者数訪問回数ページビュー転送量 2007年 3月55,8…