あの連中は迷惑極まりない

ホシブドウが嫌いだ。
グロテスクな外見。
ねちゃねちゃとする歯触り。
鼻に抜ける匂い。
ホシブドウ農家の方には大変申し訳ないが、
本当に心から嫌いだ。
しかもホシブドウのくせに
「レーズン」などと
やや小洒落た名前で呼ばれるあたりも鼻持ちならない。
何が「レーズン」か。
要はひからびたブドウではないか。
「栄養があるんだよ」
と弁護する人がよくいるが、
「本当に自分の目で確かめたのか」
と聞きたくなる。
まったく、
ホシブドウ好きな連中というのは
迷惑極まりない。
いや、もちろん
好きなだけなら一向に構わないのだ。
個人の趣向に口を出す気はない。
ただ、なぜかホシブドウ好きな連中は
ホシブドウ嫌いを発見すると
無理矢理食べさせようとする。
他の食べ物では、
このようなことは起こらない。
ホシブドウ好きに固有の特質なのだ。
本当にホシブドウが好きなのなら、
その名誉を守るため
紳士的に行動すべきではないのか。
ああ、迷惑だ。
続く

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