ユーザーが誤って全角英数字を入れてしまう件について

たとえばユーザーIDがメールアドレスになっているサービスなどでは
当然ログイン時にメールアドレスを入れてもらうわけだが、
このときユーザーが誤って全角英数字を入力してしまうことがある。

PC の操作に慣れた人からすると
「それくらい気づきそうなものなのに」
と思えるかもしれないが、
初心者ユーザーにとってはこれがなかなか悩ましい。

何度も確認して、
間違いなく正しいメールアドレスとパスワードを入れてるのに
「全然ログインできん！どうなっとんじゃ！」
と憤るユーザーもいるかもしれない。
サポートセンターも大変ですね。

そういう場合に備えて、システム側はどうするか。

何も対策をしない、という手もある。
単に弾くだけ。

これは何も意地悪をしているわけではない。
サービスの開発には当然ながら金銭的・時間的コストがかかるわけで、
一部ユーザーへの配慮をするための予算がとれないこともある。
迫り来るリリース予定日の都合もある。
そういった場合、特に何もしないという選択肢もあるだろう。

あるいは、あえて
「いちいち面倒みきれんわそんなもん」
という態度をとるのも
別に間違ってはいないと思う。

送信した時点でもいいし、
入力中に JavaScript でチェックしてもいいし。

ついでに、
「もしかして: hogehoge@codomo.ne.jp」
とでも出すか。

「ｈｏｎｙａｒａｒａ＠ａｃｈｏｏ．ｃｏ．ｊｐ」
と入っていればどう考えても
「honyarara@achoo.co.jp」
が正解なわけで、
もしそれで照合してパスワードとの組み合わせが正しければ
もう OK にしちゃっていいんじゃないか、という発想。

違うIDが入ってるのに通したらダメじゃんか
という気がしないでもないが、
それによって生じる直接的な不都合が特に思いつかない。

1の場合はもう選択の余地がないからいいとして、
2か3かを採択するとしたらどっちにするか。

これはもうそのサービスの性質によって変わってくるんじゃないだろうか。

2の場合、ユーザーに誤りを指摘して
正しくはこっちね、と認識してもらうことになる。

それに対して3の場合
ユーザーは自分の入力にミスがあったことにすら気づかないまま
ログインできることになる。
当然ユーザーが楽ちんなのはこっち。

もう不特定多数のユーザーが
じゃんじゃかやってきては通り過ぎて行くようなサービスなら
3の方がストレスが少なくて好まれるかもしれない。
好まれるというか、
ストレスの原因を自分が作っていたことにすら気づかないわけだが。

ただしこれだとこのユーザーは
永遠に自分のミスに気づかない。

2だと、間違いを指摘されてやり直すというストレス
（不慣れな人にとってはこれくらいもストレス）
があるかもしれないが、
「ああ、間違ってたんだな」と学んでもくれる。

そこにやってきたユーザーと長い付き合いをすることを前提としていて、
ユーザーのスキル向上が
そのサービスの発展にもつながるような場合には
長い目で見ると2の方法の方が好ましいかもしれない。

で自分が運営しているサービスはどうかというと
あらかた1になっているわけだが、
頂戴するお問い合わせを拝見するにつけ
少々手間でも2か3にした方がお互いのためだなあと思う。