「常識的な前提条件を外してみる」という遊び

ゾウリムシは死なない
働きアリの幸福はどこにあるか
の話をふまえて。
この2つの議論が
ある程度の正当性を持つのだとすると、
もはや生命体の定義そのもの
よくわからなくなってくる。
一にして全、全にして一であるゾウリムシ。
多数の個体が同時に一つの生命体でもあるアリ。
ここでの議論は、
生命体 ≠ 個体
という考え方をしている。
この「個体」という言葉は
英語の individual を和訳したものだ。
Individual という語は
分けることの(dividual)できない(in)」
が原義であり、
生命集団を分けていって、
 これ以上分けることができないという単位

の事を指している。
要するに、日常で
一匹」とか「一頭」とか「一羽」とか呼んでいる、
あの一つ一つが「個体」だ。
したがって、
互いに分離している複数の個体をまとめて
一つの生命体と見なす議論は
一つの生命体(organism)は、一つの個体(individual)からなる。
という前提を外して考えていることになる。
地球全体を一つの生命体と考える
いわゆる「ガイア思想」もこれにあたるだろう。
常識的に前提とされている事項を
 ひとつキャンセルして考えてみる

というのは、なかなか楽しい遊びだ。
生命体は、実体(entity)を持っている。
という前提を外してみると、
さらに妄想は広がっていく。
(つづく)

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