話を聞いてもらうために大切な、コミュニケーションの基本

わかってるはずのことなのだが、
やっぱり大切だなあと思ったので。

当たり前と言えば当たり前かもしれない。
でもその当たり前のことができているかどうか、
ときどき確認したいところ。

最後まで言う

トンカツ屋さんに行ったら、
料理を持ってきてくれるときに
お店の人がこう説明してくれた。

「ご飯とキャベツとお味噌汁はおかわり自由ですので
 どうぞお申し付けください」

トンカツ屋さんでよくあるスタイル。

そのこと自体はありがたいのだが、
何か違和感があるな、と思ったら
この店員さんは説明の途中
「どうぞ」のあたりからもう身体の向きを変えて
厨房の方に向かう格好になっていた。

途中でよそを向くと、
単に発音しているだけで
「伝えている」という感じが薄れてしまう。
伝えようとするなら、
相手に意識を向けたまま最後まで言った方がいい。

口に出しさえすれば
その言葉が意味する内容自体はあまり変わらないかもしれないが、
コミュニケーションは単なる記号のやりとりではない。

あるいはすべて記号だと考えるなら、
言い方や視線、相手との距離や身体の動きは
言葉そのもの以上に多くのことを伝える記号かもしれない。

最後まで聞く

最後まで言うことが大切なら、
最後まで言わせてあげることももちろん大切。
最後まで聞く姿勢を示すことが大切。

店員さんが途中であっちを向いてしまったのは
こちらが最後まで聞こうとしなかったからかもしれない。

ご飯とキャベツと味噌汁がおかわりできるのは知っているから
説明の途中でもう
すりゴマの入った器にソースを入れようとしていた気がする。

ロクに聞きもしないお客に
毎回毎回同じ事を最後まで丁寧に説明するのは
店員さんにとってなかなかつらいことではないだろうか。

「最後までこっち向いて言ってほしかったな」
と思う前に、
せっかく説明してもらっていることを
最後まで聞く姿勢になっていたかどうか
自問する方が先かもしれない。

相手に何かをしてほしかったら、
そうしたくなるような状況を用意する方が先かもしれない。

相手に何かを言われているとき、
途中で話がわかったら
もうその時点で聞くのをやめてしまいがち。

会話や議論をしている場合は
途中で自分の意見を言ってしまいそうになる。

しかしそうやって相手の言葉を遮ると
当然「最後まで言う」ができないわけで、
相手のストレスにもなる上
自分も「最後まで言う」をやってもらえないことになる。

もしかしたら、相手が発する言葉以外にも
受け止めるべきものがあるかもしれない。

途中でわかったかもしれないが、
それでも最後まで聞こう。

という2つ。

大切なのはわかっていても、
やっぱり忘れそうになるので
ときどき読んで思い返すために書いてみた。

ついでに言うと
ご飯とキャベツはおかわりしたが
味噌汁は1杯だけにしておいた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

4 Responses to “話を聞いてもらうために大切な、コミュニケーションの基本”

  • 2008/04/20 01:15

    それ分かりますねえ。
    私は天下一品がまあ好きなんですけど、扉を開けた瞬間、
    「いらっしゃいませようこそお一人様ですかお一人様はこちらのカウンター席へどうぞ」
    と、一気にまくしたてる店があります。
    伝えるというより、ただただマニュアル通りに言うべきことを言うだけ。
    しかも、食べ終わると、
    「まいど、おおきにぃ〜」
    と、広島訛りのイントネーションで、客を見向きもせずに全員が叫ぶ。
    やはり、相手に伝えるときには姿勢が大事ですね。
    …自戒を込めて。

  • なつ

    2008/04/20 07:49

    最後まで聞くというのは大切ですよね。私もよく子どもの話を途中まで聞いて、すぐに返事をしてしまうのですが、「違うよ。そうじゃないよ」と言われて、はっとするのです。最後までちゃんと聞いてあげないといけないなと思います。それに、私も子どもに話しかけるとき、途中までは子どもを見ますが、最後まで言う前に作業に戻ってしまうこともあります。ちゃんと目を見て言わないとだめだよなあ、と思います。思うだけじゃだめだけど。

  • 2008/04/20 10:25

    当り前のことって

     日ごろ当たり前と思いながらも、その当たり前のことを自ら実行しているかというと・・疑問なことってありますよね。
    この際、くどくど書かずに、ブックマークに…

  • 2008/04/21 01:37

    以前占いで、「人の言うことをよく聞きなさい」と言われたことがあります。最近上の空のことが多く、その言葉をよく思い出します。
    相手が一生懸命であればあるほど、ちゃんと聞いていないと傷つけてしまうこともありますもの。
    聞くということは、簡単なようで本当に難しいです。集中力が無い私にとっては結構大変ですが、意識して心がけたことの一つです。