はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

こちらのプレゼント企画に

当選して頂戴することができました。
ありがとうございます。

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

この『ストレスフリーの整理術』は
以前紹介した『ストレスフリーの仕事術』の姉妹書。
今回の『整理術』の方が先に書かれたもので、
「はじめてのGTD」とあるように
まずはこれから入るのがいいと思う。

GTD のまねごとをちょっとでもやったことがあれば
「待ってました!」と言いたくなる一冊。

GTD の理念や魅力については
本書を読んでもらうのが一番いいと思うが、
要点は次の3点に集約される。

  • 頭の中の「気になること」を”すべて”頭の外に追い出そう。
  • それらすべての「気になること」について、求めるべき結果と次にとるべき行動を決めよう。
  • そうして決めた、とるべき行動を信頼できるシステムで管理し、定期的に見直そう。

そしてこれはそのままこの手法の魅力的な部分でもある。

頭の中の「気になること」を”すべて”頭の外に追い出そう

これはもう次の例えが
うまいこと語ってるんじゃないだろうか。

 脳の短期記憶はちょうどコンピュータのメモリのような働きをしている。やりかけの仕事、解決していない仕事、整理されていない事柄のすべてをここに保管しようとする。

ほとんどの人は、脳の短期記憶に抱えきれないぐらいの「やりかけの仕事」を溜め込んでいる。たとえるならばメモリの容量ぎりぎりまで使い切ったパソコンで作業をしているようなものだ。

これは実にわかりやすい話だと思う。

メモリがいっぱいいっぱいになって
まともに動作しなくなったパソコンを再起動したときの、
あるいはレジストリが肥大化して
重くなった OS を再インストールしたときのスッキリ感は
多くの人が知っているはず。

それらすべての「気になること」について、求めるべき結果と次にとるべき行動を決めよう

やるべきことに手がつけられないときは
そもそもどこから手をつけたらいいのか
よくわかってないことが多い。

そして、よくわかってないからあまり考えたくなくなり
いつまでも手をつけられないまま
いずれは手遅れになる。

次に取るべき物理的な行動を決めておかないと、そのことが意識にのぼってくるたびにもやもやした気持ちになり、ますます行動から遠ざかってしまう。
 すべての行動についての分析が済んでいれば、やるべきことがわかっているので、電話やパソコンの前に来たときにもすみやかに行動に移すことができる。

ずっと後回しにしてたことが
具体的にどういうアクションを取ればいいのかわかると
途端に簡単な話になるというのは
多くの人が経験しているんじゃないだろうか。

この「次に取るべき行動」を明確にすることで
もやもやしたものを抱えることのストレスが一気に消散する。
これが GTD がもたらす爽快感だろう。

そうして決めた、とるべき行動を信頼できるシステムで管理し、定期的に見直そう

自分がどういう状況で何をすべきかが明確になれば
軽やかな気持ちで日々の事柄にあたれるようになる。

が、人間の頭は何かを常に保存しておくのには向いてない。
そもそも全ての「次に取るべき行動」を頭に置いておかないといけないのなら
結局はメモリが埋まった最初の状態に戻ってしまう。

だからすべて信頼できるシステムに預けてしまう。
それを定期的に見直すことで、
「何かしないといけないんじゃないか」という不安はなくなる。

いますべきことが明確に整えられていて、
他のことは心配しなくていい。
まさにストレスフリーの整理術だ。

さて、本書を手にとって読み始めるのは簡単だが、
これを一気に読み終えるには
相当の忍耐力が必要になると思う。

どうしても、途中で実行に移したくなるから。

読み進めるにつれて、
もう一刻も早く GTD (Getting Things Done) を実践し
頭のメモリがすっかり開放された状態を味わいたくなるから。

実際、具体的なやり方が書かれいる第2部では
ひとつひとつのステップが丁寧に解説されているので
読む → 「やりたい!」 → やってみる → 次を読む
という流れでいく方がスムーズに身につくかもしれない。

読むためではなく、
実際に行動するための本なので
読者にこう思わせるというのは
まさに本書の目指すところじゃないだろうか。



はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
デビッド・アレン (著)
田口 元 (監修)

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GTD が優れた仕事術であることは疑いようもないし
多くの人にぜひ試してみてほしいとは思うのだが、
みんながこれをやるようになると
せっかく作ったこれが無用になってしまうので

ちょっと切ないような気もする。

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