学生時代に酒屋でアルバイトをしたことがある。
町の酒屋さんにしてはワインの品揃えが豊富な店だった。
たぶん大将の趣味。
「仕事じゃ」などといいながら毎晩楽しんでいたのだろう。
その大将が、簡単にワインを選ぶ方法を教えてくれた。
曰く「濁点が多いのを選べ」と。
ヴァルディカーヴァなんやらとか
なんたらグランレゼルヴァとか
とにかく「ヴァ」とか「グァ」とか
そういう名前のを選べばいいとのこと。
「そんなんでええんか」と思ったけど、
大将の教えはこのようなことだった。
どうせ何百も何千もあるワインの中で
どれがええかなんかわからんじゃろ。
なら「これでよかったんかな」とか思いながら飲むよりは
選び方を何か決めといて、自信持って飲んだ方が楽しい。
濁点が多いと何か美味そうに聞こえるじゃろ。
納得した。
そのうち好きなのが見つかったら
それを選ぶようにすればいいと。
ワイン係の人がいるようなお店では
任せてしまうのが一番だと思っているが、
大将の教えはずっと生きていて
今でも自分で選ぶときにはこれに従っている。
「ラベルのデザインがかっこいいのを選ぶ」という自己流も加えて。
ついでに教わったワインの楽しみ方。
「講釈を垂れんことよ。ゴチャゴチャ言うたら飯がまずくなる。」
この大将にはバイト代以上のものをもらった気がする。
2009/02/12 16:02
赤白とも値段のわりにイケるので愛飲しているのが、「トーレス サングレ デ トロ」(スペインワイン)です。濁点 2 つしかありませんねー。