なかなか挨拶できない相手に思い切って言ってみたらこうなった

いつも通る道には自転車屋さんがあって
そこのお店の人はいつも表に立っている。

最初は特にどうということもなかったんだけど、
毎日そこを歩いているとだんだん変な感じがしてきた。

こちらはお店の人がいつもそこに立っているのを知っているし
その方もこちらがいつもそこを通るのはきっとわかっている。
お互いのことを認識しているのに、そしていつもお互いの姿を見るのに、
挨拶のひとつもしたことがないというのは変な感じだ。

だったら話しかければいいんだけど、
こういうのは時間が経てば経つほど「今さら感」が強くなって
だんだんやりづらくなってくる。
わかりますかねこれ。

でもやっぱり挨拶ぐらいはしたいな、と思って
こないだ初めて「こんにちは」と言ってみた。
そりゃまあ「こんにちは」と返ってきた。

次の日そこを通ると、
今度はその方が「こんにちは」と言ってくれた。
もちろん「こんにちは」と返した。

やっぱり挨拶ぐらいはしたいとお互いに思ってたんだろう。

それ以降、前を通るたびに挨拶するのが当たり前になっているし
「お出かけですか」と、会話のようなこともするようになっている。

言葉を交わすというのはいいもので、
もちろんそこには何の建設的な議論があるわけでもないんだけど
それだけで何となく気持ちよくはなる。

こういう関係ってたくさんあるんじゃないだろうか。
自分は相手を知っているし、きっと相手も自分を知っているのに
タイミングを逃したために
挨拶もしづらい雰囲気になっているというの。

そういう感じが続けば続くほど
ひとこと目が難しくなるとは思うんだけど、
でもきっと遅すぎるということはない。

もう何年もそういう状態が続いていると
何かいまさらなあ、という気恥ずかしさが最初はあるかもしれないけど、
でもどっちかが先にひとこと言うだけでいい。
「こんにちは」だけで、そのへんてこな感じが消えてなくなる。

以上、チャリ屋のおっちゃんと挨拶できるようになったという
それだけのお話でした。