プレゼンで完璧な資料を作らず、SlideShareにもアップしない理由

SlideShare はよいサービスだし、
完成度の高い資料を作って
後でそれを公開するのも素晴らしいことだと思ってます。
これまでそういった資料にどれほど助けられたことか。

だからここで書くのはひとつの考え方であって
それらに対する批判ではありませんのでなにとぞ。

スライドはアップしない

人前でプレゼンテーションを行うときは
だいたい Keynote でスライドを用意してるんだけど、
終わった後でそれを SlideShare にアップロードするというのは
今のところあまりやってません。

「スライドはあとで SlideShare か何かに・・・」
と言われることもよくあるので、
それをやっていない理由を書いておきますね。

ぜひアップしてほしい資料もある

完璧な資料として仕上げられたスライドがありますね。
もうそれを見れば発表内容がすべてわかるくらいの完成度。

そこまで作り込まれた資料というのは本当に素晴らしいと思います。
後から単独で見る人のことを考えて作られているので
話の筋がとおっていて、実際の発表でもブレにくい。

こういうのは、ぜひ公開してほしいなあと思います。
きっとその場にいることができなかった人の役にも立つ。

ただ、プレゼンテーションのやり方というのはそれだけじゃないと思ってます。

後から見ることを考えない資料

普段つくっているスライドの資料は上記とは逆のタイプで、
たぶん後から見ても何を言ってるんだかわからない部分が多いと思います。
もともとそこをサポートしていないので。

こういう資料を SlideShare に上げることにはあまり意味がなくて、
むしろ誤解や混乱を生じるおそれがあるので
あまりアップロードすることはありません。

いくつかは上げてるけど、まあ一部の例外です。

発表のスライドで後日参照をサポートしない理由

理由はふたつ。

  • 話を聞いてほしい

    これはこのときにも書いたんだけど、

    スライドというのはあくまでその場でお話することの補助であり
    主役になるべきものではないと思っています。

    見ればわかるほど充実した資料を提示すると、
    人はそれを目で追う方に注意力を使ってしまって
    聞く方が少しお留守になりがち。

    もちろん資料が完璧なら情報は漏れなく伝わるけど、
    それならそもそも資料をお配りすれば済む話で
    わざわざ時間をあわせて来てもらってお話しする必要はない。

    プレゼンというのは、相手に情報を提供するためではなく
    それを相手の心まで届けるために行うものだと思っているので
    ここにいる人間からのメッセージを受け取る方に注力してほしいんです。

    資料が必要ならあとでお渡ししますから、
    今はこっちを向いて、俺の話を聞け。

  • 手間がかかる

    心を込めて、手間をかけてプレゼンの準備をするのは
    本当に大切なことだと思います。

    せっかく時間を取ってお話を聞いてもらうんだから
    誠心誠意、できる限りの準備はしたい。

    けどそれは、必ずしもスライドのボリュームアップを意味しません。

    時間が無限にはない以上、準備に使える時間だって限られてる。

    スライドもできるだけ綺麗にしたいけど、
    お伝えするそもそもの内容をより魅力的にしたり
    お話の組み立てを練り込んだり
    そっちの方により多くの時間を使いたいと思います。

    だから、あまり資料の方には多くの手間をかけたくない
    というのがもう一つの、正直な理由です。

フォローアップは重要

資料をアップしたらもれなく iPad がもらえるとか
何かわかりませんけど大人の事情でスライドを公開しないと誰かが困るとか
そういう場合は別として、
発表で使ったスライドをそのままアップするというのは
これからもあまりやらないと思います。

もちろんその場で聞いただけですべては頭に残らないだろうし
後で補足したいと思うこともたくさんあるから
フォローアップは必要ですね。

メディア向けの発表であればプレスキットを、
製品やサービスを特定の相手にアピールするのであれば
後で検討してもらうための具体的な資料を。

そして公の場で発するプレゼンテーションについては
スライドをアップロードする代わりにブログに記事を書くようにします。

後から見るということを考えたらたぶん文章の方がわかりやすいし
関連記事との連携もしやすいし
そのつもりでいればスライドももっとその場限りで気軽に作れるし。

後で見る人のためにスライドをまるごと作り直したこともあるけど、
そんなことをするならブログを書いた方が早い。

とはいえ、これまでに行ったイベントの中でも
記事にできていないものがありますね。

「フォローアップ記事が書けてない5つの理由」か何かスライドにして
SlideShare で公開しようかな。

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