去年の年末に、すごい箸を買った。
すごい箸との出会い
デパートをうろうろしていて、
異彩を放つ一角が設けられているのに気がついた。
見れば「すごい箸」と書かれているではないですか。
一段高くなったところに職人さんと思われる出で立ちの人が座っていて
その前にある机には二つの箸立てが置かれている。
ひとつは「普通の箸」で、もう一つは「すごい箸」らしい。
箸立ての間には水を張ったお椀がおかれていて
中には三角に切られたこんにゃくが入っている。
「どうぞ、つまんでみてください」と言われるままやってみたら
確かに「すごい箸」はすごい箸だった。
普通の箸と、すごい箸
その場でご協力をいただいて撮影したのでご覧ください。
あまりの違いに「やらせではないか」と思われるかもしれないけど
これは事実です。
こちらが普通の箸。
こんにゃくは弾力があって表面はつるつる滑るので
なかなかつまむことができません。
こちらがすごい箸。
何の苦もなく簡単につまむことができる。すごい。
「すごい箸」は何が違うのか
何度もやってみたし、
普通の方かすごい方のどっちかに
何か特殊な細工でもされてるんじゃないかと思って確認してみたけど
どちらにも特に異変は見当たりませんでした。
「何が違うんですか」と聞くと、
「削りと塗り」だそうです。
手で持った時に箸先がちょうどよい角度になる繊細な削りと
ムラなく慎重に重ねられた漆の塗り。
特別な魔法があるわけではなく、
技術を持った職人さんが丁寧に作った箸が「すごい箸」になるようです。
「すごい箸」の買い方
タイトルで「いいのを買うべき」と書いたけど
要するに「ちゃんとしたのを買う」という意味であって
決して高価なものを買うという意味ではありません。
このとき買ったのも、一膳1,500円だったか2,000円だったかそれくらい。
お値段が一桁上のものもあったけど
「それは装飾のとこが髙いだけで、箸としては同じです」と言われました。
髙いやつはあまりおすすめされてない感じ。
さてこういうことを書くときは
同じ物がすぐに買えるネットショップなどへリンクできるといいんですが、
聞いてみたら「うちはアナログで、ホームページもないんです」とのこと。
ネットでの販売はされていないようでした。
まあ100円ショップのやつとか5膳で1,000円とかそういうのではなく
丁寧に作られた箸を買えばだいじょうぶだと思うんだけど
こればっかりは実際に使ってみないとわからないので
リンクなどはありませんごめんなさい。
全国のデパートなどでときどき出展されているようなので、
「すごい箸」をみかけたら実際に手に取ってみてください。
ここまで書いといて、
すごくない方の箸で何の苦もなくこんにゃくをつまめる人がいたらどうしよう。
追記
大事なことを書くの忘れてました。
福井県小浜市の若狭塗の箸です。