公務員(教員)を退職したことに関するFAQとその答え

教員を辞めて事業を始めてからもう8年目なんだけど、退職したことについて今でもよく聞かれるので「よくある質問」とその答えを書いてみることにしました。

なんで辞めたの?

他にやりたいことがあったから。

いやちょっと違うか。
「他にやりたいことがあったから」というより「他のこともやってみたかったから」かな。

「うおお俺はこれをやって生きていくぞ!」みたいなのはありませんでした。

よく決心できたね

教師の仕事は本当にやりがいのあるものだったけど、他のこともやりたいという気持ちがあって、しかもそれが日々大きくなり続けていて、これを心にしまい込んだままずっと生きていくのは自分には無理だ、という気持ちになりました。

「辞める」というのも大きな決心だけど、辞めないということは「ずっと続ける」という決心をするのと同じことで、そちらもまた同じく大きなことだと思う。

いつ辞めるって決めたの?

高校2年生の担任をしていた年で、退職から1年半ほど前の時期です。

今年度が最後かな、と思いながら授業や行事をやっていくうちに

「辞めるのはいつでもできるけど、この子らを卒業させるチャンスは二度とないんだな」

と思うようになり、それがタイミングを決めました。
この子らが卒業するとき、一緒に辞める。

「いつ辞めるか」を決めたというより「いつまで続けるか」を決めたと言った方が近いと思います。

同僚や生徒にはいつ伝えたの?

最後のクラスの、卒業式の日です。

翌年度の人事の都合もあるので、さすがに校長にはそれよりずっと前から辞意は伝えてあったけど、他のほとんどの人にはその日まで話さなかった。まあ聞かれなかったし。

「この人もう辞める人だ」と思ったら、同僚は仕事を頼みにくいだろうし、生徒もちょっと頼りにくくなるんじゃないかと思って言わなかった。

本当は、生徒には最後の最後、3月31日まで言わないでおこうかと思ったんです。卒業後もまだ入試がある生徒もたくさんいて、全部おわるまでは活用してくれないといけないから。

けど、卒業式のあと教室に帰って全員に一言ずつ喋ってもらってるうちに、この全員が揃うことはもう二度とないかもしれないな、と思い、またその言葉を聞いていると、きっとちゃんと最後まで頼りにしてくれるな、と思えたので話すことにしました。

最後に、互いに礼をして解散、となったところで「どうしてもいま全員に伝えておきたいことがあるからすまんけどもっかい座って」と言いました。

そのときほぼ全員が「結婚話だな」と思ったみたいなんだけどそうじゃないんだ。

教師って大変?

どういうスタンスで勤めるかによってだいぶ違ってくるんだけど、まあたいへんですよ何かと。

ただ、「大変」だったことが辞めた理由ではありません。それよりもやりがいの方が大きかった。人を育てるというのは最高に贅沢な仕事だと思います。

辞めてどう?

よかったと思ってます。いまの暮らしの方が、自分にあってる。

やってて辛かったことある?

チョークが苦手だった。手に粉がつくし、その粉が宙を舞うし。あれがいやで、それを理由にあまり板書をしない教員でした。

生徒には常々「将来立派になって、粉の出ないチョークを発明してくれ」と頼んでたんだけど、今のところ「できたよ!」という声は届きません。まだー?

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