タクシーの後部座席でシートベルトを着用すると何か変なやりとりが始まる

2007年に道路交通法が改正されて、2008年6月からは自動車の後部座席に乗る人もシートベルトを着用することが義務づけられました。

道路交通法第七十一条の三の2によると

自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(略)に乗車させて自動車を運転してはならない。

ということなので、正しくは「着用が義務づけられた」んじゃなくて「着用してない人を乗せて運転しちゃダメ」だと思うんだけど、まあ一般的には「後ろの席の人もしめなきゃだめ」だと思います。

タクシーの自動アナウンス

地域にもよると思うんだけど、最近はタクシーに乗ると自動音声で

「道路交通法の改正により、全ての座席でのシートベルト着用が義務づけられました。お客様の安全と法令を守るため、シートベルト着用にご協力をお願いいたします。」

といったメッセージが流されます。

これが自動音声なのは運転手さんの手間を軽減するためだろうけど、直接言うと「何やねんめんどくさい」って言う人がいるから、というのもあるんじゃないかな。

何かシートベルトつけるの嫌がる人けっこういますよね。

後部座席に乗った時

ところが、最近タクシーの後部座席に座ってシートベルトを着けようとすると

「あ、(シートベルトを着用しなくて)だいじょうぶですよ」

と言われることがあります。これも地域によって違うとは思うけど、大阪あたりではときどき言われる。

上述のとおり着用する義務が乗客にあるのではなく着用させる義務が運転手にあるのだから、運転手さんが「しなくていい」というのはまあお客さんはあんまり厳密に守って窮屈な思いをしてくれなくていいですよ、ということなのかもしれない。

けどそうじゃないんです。ベルトを締めてるのは「そうすることになってるから」でもアナウンスで促されたからでもなくて、自分の身を守るためなんです。

「法令を守る」というのは運転手さんの責任の範囲だとしても「安全を守る」方については、乗客も自分でできる範囲のことは自分でやらないといけない。

「しなくていい」と言われたら

まあ運転手さんとしては気を利かせて言ってくれてるのかもしれない。

いいことだとは思わないけどお心遣いではあるから無視するのも気が引けるし、かといって「いつ事故が起きるかもわかりませんから、自分の身は可能な限り自分で守りたいと思い着用しています」と毎回説明するのもめんどくさい。

手っ取り早いのは「着けてた方が落ち着くんで」ぐらいかな。

なんだこの無駄なやりとりは。

なぜか半笑い

ところで運転手さんが「いいですよ」と言ってくれるときは、なぜか半笑いのことがあります。

ベルト着けない人が多いのかな。それで、アナウンスが流された後のタイミングでシートベルトをしめようとしたら「律儀なやっちゃなあ」と思うのかな。

あるいは自分でアナウンスのボタンを押しておいて、それに従ってベルトを着用しようとしてる人に対して自分で「しなくていいですよ」というその一連の流れを滑稽に思っているのかもしれない。

いずれにしても、シートベルトの着用が当たり前のことになって、あのアナウンスも「いいですよ」のお心遣いも半笑いも早くなくなるといいな、と思います。

一番変なやりとり想定

運転手さん「あ、だいじょうぶですよ」

乗客「いえ、だいじょうぶです」

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